棚卸資産ってどんな資産?その適正水準を徹底解説!
「棚卸資産」とは、会社が抱えるいわゆる在庫のことであり、会社経営において非常に重要な資産の1つです。なぜなら棚卸資産とは会社の「営業サイクル」に関わっている資産だからです。ただ、棚卸資産が大きすぎると、営業キャッシュフローが赤字(マイナス)になるため注意が必要です。
今回は、棚卸資産がどのくらいであれば大丈夫で、どこからが大きすぎると言えるのでしょうか?
棚卸資産の適正な水準が分かっていれば、より細かく会社の状態が分かるので、投資判断しやすくなります。

「棚卸資産の適正な水準」について学んでおきましょう!

▼「棚卸資産の適正な水準」をどう投資に生かすのか?はコチラの記事をご覧ください
財務諸表の分析方法!財務情報をどうやって投資に生かせばイイ?
せっかく財務3表を自分で読み解けるようになったのなら、それを“投資に生かしていく”のが次のステップです。財務3表をつかって会社の安全性を分析する方法を学んでいきましょう…
目次
棚卸資産ってどんな資産?
棚卸資産とは、いわば会社が抱えている「在庫」です。
どこで確認できるのかと言うと、貸借対照表の資産の部で確認できます。
▼貸借対照表【資産の部】の読み方と大事なポイントはコチラ
「棚卸資産」は「当座資産」とあわせて「流動資産」と呼ばれることがあります。
「流動資産」とは1年以内に現金化できるか営業サイクルの中で循環している資産のことです。
営業サイクルの中で循環している現金の流れを「営業キャッシュフロー」といいます。
営業キャッシュフローは会社の経営に関わる1番大事な数字で、これが赤字(マイナス)であるならば、その会社の財務に注意する必要があります。
▼営業キャッシュフローってなに?という方はコチラ

「営業キャッシュフロー」に関わってくる資産…ということ!!

棚卸資産が大きすぎるとなぜダメ?
棚卸資産が大きすぎる理由は主に2つあります。
①の状態であれば問題はないのかもしれませんが、期待通りに売り上げが上がらなかった場合は、
棚卸資産が大きすぎると②の状態に陥ってしまうリスクがあります。
こうした理由で棚卸資産が大きすぎると、営業キャッシュフローの循環が上手く回らなくなります。
そうなると、資金繰りがうまくいかない原因となります。
棚卸資産の適正水準は?


棚卸資産の水準をみるために「棚卸資産回転日数」という指標があります。
これは、売上高何日分の棚卸資産があるのかを計算しているものです。
棚卸資産回転日数は以下の式で計算できます。
この計算式で出た数字と、それぞれの業界の平均を比較して棚卸資産が大きいかどうかの判断が出来ます。
主な業界の平均は以下の通りです!
▲EDIUNET(棚卸資産回転日数:業種平均ランキング)を基に弊社作成
まとめ
棚卸資産とは、貸借対照表で確認できる資産の1つで、いわば会社が抱えている「在庫」です。
棚卸資産が大きすぎてしまうと、営業キャッシュフローが滞り、資金繰りが上手くいかなくなる可能性があります。
棚卸資産が大きくなる理由としては、以下の2つが考えられます。
①今後の販売増加に備えているから
②売り上げが上がらず、在庫が増えているから
棚卸資産が大きすぎるかどうかは棚卸資産回転日数の指標を用いて判断をしましょう。
それぞれの業種の平均日数の傾向としては
✔製造業は1~3ヵ月くらい
✔小売業や卸業は0.5~1ヵ月くらい
✔サービス業は1ヵ月未満
という傾向があります。

自分の保有銘柄でも是非チェックしてみてくださいね。

あわせて読みたい
当サイトは、当社の経営理念である「株式会社さくらインベストは投資に関する幅広い知識や技術を発信し、お客様をはじめ投資家の皆様の喜びに貢献します」に基づき、一般的な金融リテラシーの知識向上に役立てていただくことを目的としています。
当社(株)さくらインベストは商品先物取引業者であり、金融業者(証券会社等)ではなく、当社で株式等の金融商品の取引を行うことはできません。その為、金融商品等の勧誘や媒介を目的としていません。また、金融商品等のメリットを助長し取引を勧めるものでもありません。
当サイトは、当社の経営理念である「株式会社さくらインベストは投資に関する幅広い知識や技術を発信し、お客様をはじめ投資家の皆様の喜びに貢献します」に基づき、一般的な金融リテラシーの知識向上に役立てていただくことを目的としています。
当社(株)さくらインベストは商品先物取引業者であり、金融業者(証券会社等)ではなく、当社で株式等の金融商品の取引を行うことはできません。その為、金融商品等の勧誘や媒介を目的としていません。また、金融商品等のメリットを助長し取引を勧めるものでもありません。
今後非表示にする
本ブログのご利用にあたり、使用上の留意点につきましては【重要事項のご説明】をご覧ください。