「農作物」と「工業品」の二面性を持つゴムの取引について、分かりやすく解説!
東京商品取引所で取引されている「天然ゴム」。私たちの生活の中でも輪ゴム、消しゴム、ゴム手袋、タイヤなど、色々なところでゴムを見かけるのではないでしょうか?
工業用の素材として使われるイメージの強いゴムですが、ゴムは樹木から採取する白色の樹液を原料とする農作物の1つでもあります。
ゴム取引ってどんな取引?
ゴムに投資するときに気を付ける点は?
ゴムの価格はどのように予想するの?
目次
「農作物」と「工業品」の二面性を持つゴム!
ゴムにはゴムの木から樹液を採取して作る「天然ゴム」と、石油から作る「合成ゴム」の2種類があります。そのため、ゴムは“農作物”と“工業品”の、二面性を持っていることが1番の特徴となります。
ゴム価格は、農作物としては天候や気温の影響を受けますが、工業品としては原油価格の影響を受けることになります。近年のゴムの生産量・消費量における天然ゴムと合成ゴムの比率は、天然ゴムが約 45%、合成ゴムが約 55%という割合になっています。
ということは、天候や気温の影響だけ考えればいいんじゃないの?
確かに、東京商品取引所に上場されているのは「天然ゴム」ですが、そういうわけではありません。
原油価格が高騰しているときには、原油価格の影響を受ける「合成ゴム」から、割安感のある「天然ゴム」に需要がシフトする…といったことがあるのです。
逆に原油価格が大きく下落しているときには、「天然ゴム」から「合成ゴム」に需要がシフトすることもあります。
そのため、それぞれの需要と生産動向は押さえておいたほうが良いでしょう!
ゴムの最大の用途は車のタイヤ!
ゴムの最大の用途は自動車のタイヤで、すべての需要のおよそ70%を占めています。
そのため、自動車の生産や販売台数の増減は、ゴム価格に大きな影響をもたらします。
タイヤには、合成ゴムと天然ゴム、それぞれどちらも利用されています。
鉄道などの交通網が整っていない新興国では先進国よりも生活の中で自動車が重大な役割を担っています。
特に中国は、近年急激な経済成長で新車販売台数を飛躍的に増大させ、2011年に米国を抜いて1位となり、
そこから現在も新車販売台数1位の座を維持しています。
自動車の普及は新興国の経済成長には、欠かせないものです。
中国は、経済成長の中で、国家政策として農村部への自動車普及を図りました。
※<2018年国別新車登録・販売台数>JETROのデータを元に弊社作成
特に、日本の車は性能などが優れていることでも有名ですね!!
自動車の生産・販売には、その国の経済の好不調が強く反映されます。
中国はもちろん、アメリカや日本、その後のランキングに続くインド、ドイツ、イギリス、フランスなどの自動車生産国の動向に注目する必要があります。
経済に大きなダメージを受けていますよね。自動車の生産・販売量にも
影響がでています。
ゴムの価格変動要因
世界での自動車の生産量・販売数が価格に影響を与えるのは、もちろんですが、ゴムの価格変動要因はそれだけではありません。
東京商品取引所で上場されている天然ゴムは農作物ですので、ゴム価格には、生産地域の生産量などが関係します。つまり、生産国の天候や政治・経済状況は深く関わってくるのです。
※国連FAO データを元に弊社作成
天然ゴムの主な生産地は、東南アジアに集中しています。
タイとインドネシアの2か国で世界の約6割の生産量を占めているため、これらの生産国の天候や政治・経済状況はしっかりとチェックする必要があります。
また、生産国は、ときに自国の政府が天然ゴムを買い上げて価格維持を図ることもあります。
政治・経済状況は、その時々の世界の動きやニュースなどで判断するしかありませんが、天候による生産状況はある程度予測することができます。
天然ゴムの樹液は年間を通して採取されますが、「増産期」と「減産期」が存在しています。
それら以外にもゴム価格を動かす要因はあります。
まとめておくので、しっかりと押さえておきましょう!!
まとめ
- ゴム価格は、農作物としては天候や気温の影響を受け、工業品としては原油価格の影響を受ける
- ゴムの最大の用途は自動車タイヤで、自動車の生産や販売台数はゴム価格に大きな影響を与える
- 自動車の生産・販売には、その国の経済の好不調が強く反映される
- そのため、中国、アメリカ、日本などの動向には注目するべき
- その他にも、生産国である東南アジアの天候や政治・経済状況が価格変動要因となる
投資面からゴムをみてみると、新たな発見があって面白いですね!
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