投資面からみる小麦って?コロナショックで関心が集まる穀物の秘密
今や小麦は私たちの生活に欠かせないものの1つです。パンやパスタなどの麺類もそうですし、ほとんど毎日、料理として小麦を食べているのではないでしょうか?
商品先物取引では、そんな小麦も商品の1つです。今回は食べ物としてではなく投資の面からみる小麦について勉強しましょう!
投資の面から学んでいきましょう!
小麦投資に興味がある!
小麦に投資するってどういうこと?
目次
小麦はいつ作られたの?~小麦の歴史
小麦は、日本だけでなく世界中で食べられており世界で最もメジャーな穀物の一つと言えます。
小麦の栽培は10000年以上前にメソポタミア地方で始まりました。
農作物を育てるのには一定量の水が必要ですが、山が多くて平野が少ない日本の地形では、雨が降っても短時間で海に流れ出てしまいます。そのため、雨の少ない季節や干ばつに備えておかねばなりません。そこで考えられたのが灌漑(かんがい)です。灌漑という水路を作って畑に水を引く手法を用いて、人類は狭い農地からたくさんの穀物を収穫することができるようになりました。
また、それまでの肉や魚などの食べ物とは違い、小麦は長期保存ができます。「小麦をたくさんつくっておいて保存しておく」ということが可能になったことで、それまで不安定だった人類の食糧事情は一気に好転し、人口を大きく増やすことができたと言われています。
“小麦のおかげ”といっても過言ではないのかもしれませんね。
小麦はどこで作られて、どこで消費される?
小麦の生産量が多い国は、中国、インド、ロシア、アメリカ、フランスなどです。これらの国が全体の総生産量の約50%を占めています。これらの国は生産量も多いですが、消費量も多いです。
※「個別指導の学習塾ノックス」2019~20のデータを元に弊社作成
※「個別指導の学習塾ノックス」2019~20のデータを元に弊社作成
それでも、私たち日本人は普段小麦を食べていますよね。もちろん日本でも多少生産はしていますが、基本的にはどこかの国から輸入をして、小麦を食べているからなのです。
※「個別指導の学習塾ノックス」2019~20のデータを元に弊社作成
輸出を多くしている国は、ロシアやアメリカ、カナダ、ウクライナなどです。中国やインドは生産こそたくさんしていますが同じように消費量も多く、輸出はあまりしていません。
日本では戦後にパンなどの洋食がどんどんと普及し、小麦の消費量が大きく上がっていきました。
日本でも北海道などで小麦の栽培はしています。しかし、本州の多くでは小麦の収穫期に梅雨入りしてしまうため、日本は小麦の生産には適していないと言われています。
そのため日本は、小麦の大部分は輸入に頼っており、主にアメリカなどから輸入しています。
日本の食糧自給率の低さはたびたび課題として挙げられますが、小麦もその1つです。
小麦はどうやって価格が変動する?
商品先物取引で小麦価格の指標は、アメリカのシカゴ商品取引所に上場されている小麦です。
bu(ブッシェル)という単位が使われており、1buが約27.2kgに相当します。
価格変動要因①需給の変化
小麦も、需要と供給のバランスによって値段が変動します。
悪天候などによって生産が著しく減ったり、上述の国々が輸出量を減らしたりしたら…もちろん小麦の価値もどんどんと上がり、値段は上昇していきます。
この記事を書いている2020年4月現在、新型コロナウィルスの影響から食料確保のために穀物の輸出制限や、輸出禁止を始める国が出始めています。小麦だけでなく、穀物全体の輸出量に大きな変化があれば…そのときは小麦の価格にも大きな影響があるかもしれません。
もともとコロナショックが起こる前から、右肩上がりに続く世界人口の増加に対し簡単に食料を増やすことはできず、食料の価格が今後高騰していくのではないか、という問題は報じられていました。そのため、今回のコロナショックで需給のバランスが大きく崩れる…ということも十分に考えられるのです。
価格変動要因②他の穀物価格の影響
小麦の価格は、単純な小麦の生産量と消費量のバランスだけでなく、ほかの穀物の価格にも影響を受けることがあります。
2020年2月は、コロナショックでの原油の値下がりによってバイオエタノール(植物由来の燃料)の需要が減少し、原料となるトウモロコシの値段が下がることで、小麦の値段も下がりました。
小麦の価格変動には、他の穀物の価格変動が関わっていることは少なくありません。
小麦チャートをみてみよう
このブログを執筆している2020年4月17日時点での小麦チャートを確認しておきましょう!
まとめ
✓小麦は私たち人類の生活に欠かせない、重要度の高い穀物
✓生産国・消費国と輸出国は、異なる傾向がある
✓現状、穀物の供給に問題は出ていないものの、コロナショックにより食料危機に対する不安感から、穀物の値動きには関心が集まっている
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