財務諸表の分析方法!財務情報をどうやって投資にいかせばイイ?
ここまで財務3表である「貸借対照表」「損益計算書」「キャッシュフロー計算書」について、それぞれ何を表している財務なのか?どこに注目して分析をすればいいのか?を解説してきましたよね。
せっかく財務3表を自分で読み解けるようになったのなら、それを“投資に活かしていく”のが次のステップです。財務3表をつかって会社の安全性を分析する方法を学んでいきましょう。
今回は、財務3表を見たときに注意すべきパターンを3つご紹介します。
パターン①:自己資本比率が低い場合
パターン②:営業キャッシュフローがマイナスな場合
パターン③:投資キャッシュフローのマイナスが大きすぎる場合
これを知っておけば、投資をする時にリスクを小さくできるかもしれません。

「実際にどうやって投資に活かしていくのか?」を解説していきます!

財務3表をどうやって投資にいかしていけばいい?
財務諸表をつかった分析方法について知りたい
投資をする時に、なるべくリスクを小さくしたい
目次
パターン①:自己資本比率が低い場合
自己資本比率とは、企業の資産に対する自己資本(純資産)の割合のことを言います。
自己資本比率は40%以上であれば平均以上と言えます。50%以上であればかなり安全性は高く、
30%以下であれば少し心配…というのがひとつの基準となります。
四季報などをみて、自己資本比率が30%以下と極端に低い場合は、会社の資金繰りが上手くいっていない可能性があります。資金繰りをチェックするときはまず、【①流動資産】と【③流動負債】を調べましょう。
流動比率=【①流動資産】÷【③流動負債】が、1以上の数字になるならば、その会社はほぼ安全であるということができます。つまり【①流動資産】>【③流動負債】だったらOKということです。
しかしその場合でも、当座資産(その中でも特に現金・預金)の割合が少なすぎる場合、棚卸資産の割合が大きすぎる場合などは注意が必要です。
そのため、【当座資産】>【③流動負債】だったらより安全性は高いですし、当座資産の中でも【現金・預金】が【③流動負債】と同じくらいあればもっと良いと判断できるでしょう。
パターン②:営業キャッシュフローがマイナスな場合
営業キャッシュフローとは、会社の本業の営業活動によって増減した現金の流れを表したものです。
会社経営においては、この営業キャッシュフローは最も大事ともいえるので、この営業キャッシュフローはプラスであるべきですし、マイナスである場合には注意が必要です。
キャッシュフロー計算書とは?見方とポイントをわかりやすく解説!
キャッシュフロー計算書とは、財務3表の1つであり、一定期間(3か月、6か月、9か月、1年)の現金の増減を表したものです。キャッシュフロー計算書では…
そのため、営業キャッシュフローがマイナスな場合には、細かな財務状況まで確認するようにしましょう。また、そもそも2年連続で営業キャッシュフローがマイナス…なんていう場合はその銘柄は避けた方が安心です。
営業キャッシュフローがマイナスな場合は、まず貸借対照表の「資産の部」【①流動資産】を確認します。【現金・預金】は一番質が良い資産なので問題ないですが、【棚卸資産】と【受取手形・売掛金】では現金の流れが滞っている可能性が十分にあります。
そのため、【棚卸資産】【受取手形・売掛金】が以上に膨らんでいないか?業界平均を大幅に上回っていないか?を確認しましょう。

これは次回のブログで解説します!

もし、2つが大きく膨らんでいる場合には、資金繰りが危ない可能性があります。そのときには、貸借対照表などで資金繰りが問題なくできているかをパターン①のように、確認しましょう!
パターン③:投資キャッシュフローのマイナスが大きすぎる場合
投資キャッシュフローとは、現金を使って固定資産を増やす活動での現金の流れのことを言います。
固定資産とは、基本的には設備のことですが、企業買収なども投資活動とみなされます。貸借対照表上では、資産の部内で現金が減少して固定資産のどれかが増えることとなります。
現金を使って、設備を整えたり会社を買収したりするわけですから、投資キャッシュフローはマイナスになっても問題はありません。そもそも何のために投資活動をするのかというと、会社を成長させるためですから、むしろ投資キャッシュフローがプラスである方が、会社の成長は見込めません。
気にするべきは【投資キャッシュフロー】のマイナスを【営業キャッシュフロー】のプラスでカバーできているか?という点です。これがクリアできていれば安全性は高いと言えます。
【投資キャッシュフロー】が異常に大きい場合には、設備投資や企業買収などの何か大きな投資をしている可能性があります。そのため、貸借対照表の「資産の部」【②固定資産】で増えている項目がないか?増えている場合は何が増えているのか?をまずは確認しましょう。
決算短信には【投資キャッシュフロー】の説明を載せている会社もあるので、何に投資をしたのかをここでチェックするのも有効です。
投資内容が分かれば、その投資に勝算があるのかどうかを判断しましょう。勝算というのは、会社の成長が見込める有意義な投資かどうか?ということです。
「この設備投資は何のためにしたの?」「これってどんな投資?」など、投資内容が理解できなかった場合には、避けた方がいいかもしれません。

みて確認するのもオススメですよ!

まとめ
今回は、ここまで学んできた財務諸表の読み方を、投資にいかしていく方法について3つのパターンの解説をしました。
パターン①:自己資本比率が低い場合
パターン②:営業キャッシュフローがマイナスな場合
パターン③:投資キャッシュフローのマイナスが大きすぎる場合
四季報や株価チャートをみれば投資判断をすることは可能ですが、もっと詳しい情報をみるためには財務状況の確認は欠かせません。また、財務状況は多くの投資家がチェックしていないところでもありますから、他の投資家と差をつけるための絶好のチャンスにもなり得るものです。

これらを駆使して投資理由をより明確にしていくことが大事です!

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