損益計算書の6つの利益ってなに?見方と項目をわかりやすく解説!
今回は、損益計算書の基本的な見方について一緒に学んでいきましょう!
損益計算書をみると、それぞれの会社に “どんな”利益が“どのくらい”出ているのかを詳しく知ることが出来るので、株式投資をする際の銘柄選びなどに役立てることができます。
他の投資家とグッと差をつけることができるかも…?
財務諸表ってなんだか難しそう
損益計算書の読み方を知りたい
そもそも「損益計算書」ってなに?
目次
損益計算書からわかることは?
損益計算書とは、一定期間(3か月、6か月、9か月、1年)の損益状況を表したもので、
貸借対照表とおなじく決算短信でチェックすることができます。
基本的には、売り上げから様々なコストを差し引く、もしくは収益があれば加えて、
最終的な純利益を求める形で構成されています。
損益計算書をチェックすることにより、この期間で会社がどのくらい儲かったのか、
あるいは損したのかといった経営成績を見ることができます。
損益計算書をチェックするときには、できれば貸借対照表との関係性を必ず押さえておきましょう。
この2つは、非常に密に関わり合っています。貸借対照表はストック情報、損益計算書はフロー情報であるという関係を理解しておくと、より分かりやすいかと思います。
貸借対照表と損益計算書の関係性については、こちらの記事で分かりやすくまとめているので、まだ読んでいない方は是非お読みください!
決算短信の損益計算書はこんな感じ!
まずは、決算短信で「損益計算書」がどのように記載されているのかを知っておきましょう。
細かいところは会社によって異なる場合がありますが、基本的な型はだいたい同じです。
利益には色々な種類があり、その数字は損益計算書を見なければ知ることができない数字です。
損益計算書の6つの利益
損益計算書は、会社がどれだけ稼いで「収益」、そのためにどれくらい費用を使って「費用」、結局利益がいくら残っているか「利益」の3つから成り立っています。
損益計算書は、売上高からそれに要した経費を引いていく、もしくはそれ以外の収益を加えるものですが、各段階に応じて6種類の利益が計算されます。
①売上総利益
売上総利益は、売上高から売上原価を差し引いたものです。
売上高から商品やサービスにかかる純粋なコストを引いたものですので、
売上総利益は「商品自体の価値」を表していると言えます。
去年と比べたときにいくら売上高が伸びていても、それらはコスト(売上原価)を削減しただけかもしれませんよね。しかし、売上総利益は商品自体の価値を表しているので、この数字を見ることで、純粋な商品の儲かりやすさを確認できます。
売上高以上に売上総利益が増加していれば、その商品は儲かりやすくなっているといえるのです。
②営業利益
営業利益は、売上総利益から販売費・一般管理費を差し引いたものです。
売上高からみると、本業の活動にかかる利益をすべて差し引いたものなので、
営業利益は「本業からもたらされる利益」といえます。
販売費・一般管理費には、実際には費用が発生しない減価償却費や、のれんも含まれます。このことは必ず理解しておきましょう。本来はもっと利益が出ているのに、販売費・一般管理費に減価償却費やのれんが含まれるから、営業利益が小さくなってしまうことはよくあります。
営業利益が伸びていない会社は外してしまうかもしれませんが、
それは原価償却費、のれんが膨らんでいるからかもしれません。
▼減価償却についてはコチラの記事で詳しく解説してます。
▼のれんについてはコチラの記事で詳しく解説してます。
③経常利益
会社は本業以外にも継続的に行っている営みがあります。
経常利益は、営業利益から本業以外の営みによる収益や費用を加えたり、差し引いたりしたものです。例えば、資金調達などの財務活動は本業の活動とは違う活動だとみなされます。
そのため、営業外損益の代表格となります。
④税金等調整前当期純利益
税金等調整前当期純利益は、経常利益から特別損益を加えたり、差し引いたりしたものです。
基本的にこの金額は、法人税を計算するときのベースとなる金額です。
⑤当期純利益
当期純利益は、税金等調整前当期純利益から少数株主利益を差し引いたものです。
この当期純利益が、一定期間の活動からもたらされた最終的な利益となります。
「少数株主損益調整前当期純利益」というものがある場合があります。
少数株主利益は、普通あまり大きくならないため「少数株主損益調整前当期純利益」にはさほど注目する必要はありません。ただし、持株比率が低い子会社からの利益の寄与が大きい場合は、少数株主利益が大きくなることがあります。その場合には注意が必要です。
⑥包括利益
包括利益とは、資産の価格が市場で変動することによってもたらされる含み損益を当期純利益に加えたり、差し引いたりして計算したものです。しかし、投資家にとっては、包括利益よりも当期純利益の方が大事な数字だといえます。なぜなら、当期純利益は会社の活動からもたらされたものですが、包括利益は会社の活動とは関係のないところで起きたものだからです。
何を確認したいかにもよりますが、わたしたちが重要視するべきなのは「⑤当期純利益」の方が好ましいでしょう。
まとめ
気になった銘柄の損益計算書をみることで、四季報などに記載されている利益の更に詳しい内訳を確認することができます。営業利益だけでなく、これらの6つの利益を確認することにより、
「会社の提供する商品やサービスに儲ける力があるのか?」
「本業での利益はどのくらいなのか?」
「一見、利益は大きいが、本業以外の方で利益を出しているだけではないのか?」
など、たくさんの発見や気づきを得られるでしょう。
株式投資をする時、ここまで見ている投資家は多くないので、銘柄選定で、周りに一歩リードすることが出来ます。
新たな発見があるかもしれません!!
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