貸借対照表の【資産の部】とは?どこを見ればいい?
貸借対照表には、難しい項目がたくさんでてきます。また、項目自体が多いので、どこがみるべきポイントなのかもなかなか難しいでしょう。でも大丈夫です!全部を理解する必要はありません。
「これってなんのことだろう?」と思った項目の数字が小さい場合は無視してもかまいません。
ただ、数字が小さくても貸借対照表の中でも大事なポイントがありますので、解説していきます!
見るべきポイントと、その理由を探っていきましょう!
財務諸表ってなんだか難しそうで手が出せない…
財務諸表でどこを見ればいいのかが分からない
持っている銘柄の「資産」の内訳を知りたい
目次
「流動資産」と「固定資産」
まず、前回までの復習からです。
財務諸表の中で、非常に重要な財務3表、その中の1つが“貸借対照表”です。
貸借対照表は「資産の部」と「負債の部」、「純資産の部」に分かれており、今回は資産の部について解説していきます。
「負債の部」の見方はこちらから!
「純資産の部」の見方はこちらから!
貸借対照表の資産の部は大きく「流動資産」と「固定資産」の2つに分類できます。
細かく言うともう1つ、「繰延資産」というのもありますが、普通はあまり計上されませんので、
「流動資産」と「固定資産」に分類されると考えてよいでしょう。
流動資産は名前通り“流動性の高い資産”のことで、簡単に言うと、現金化しやすい資産や、1年以内に現金化する予定の資産のことを指します。
逆に、固定資産は、流動性に乏しい資産で1年以内に現金化する予定のないもの、あるいは中長期的に事業の役に立つような性質のもののことを指します。
すべて「固定資産」にあたります。
では、この流動資産と固定資産を含んだ、貸借対照表の「資産の部」はどのように決算短信に載っているのか確認しておきましょう!
「こんな風に載ってるんだ~」くらいでチェックしておいてください!
流動資産のチェックポイント
貸借対照表で注目すべきなのは、基本的には数字が大きいものです。
資産の部でも、「お、この項目、数字が大きいな」となったら、それはどういった資産なのか確認するようにしましょう!
以下は【流動資産】の主な項目のまとめです。
この中で必ずチェックするべきなのは、現金・預金、受取手形・売掛金、棚卸資産 の3つです。
会社経営に重要な「営業サイクル」に関わるものだからです!
会社を立ち上げてビジネスを始めるときに、まず必要なのはお金です。
お金がなければビジネスはできませんよね。お金を使って、販売する商品の在庫を製造したり、
提供するサービスを開発したりします。
在庫やサービスが完成したら、それを販売します。そうして生まれた利益をまた、現金化して会社のお金を増やしていく…これが「営業サイクル」です。
営業サイクルがうまく回らないと、ビジネスがうまくいきません。そのため、現金・預金、受取手形・売掛金、棚卸資産 の3つは資産のなかでも特に重要だということができるのです。
ちなみに、この営業サイクルは営業キャッシュフローにも深く関わっています。
他の言い方で共起されていることもあります。そんなときは、
「これはこの会社にとっての棚卸資産だな」と置き換えるようにしましょう
固定資産のチェックポイント
固定資産でも、数字の大きい項目があれば確認する…というのが基本となります。
また、固定資産は流動資産に比べると今すぐに動かす予定ではない資産なので緊急性は低くなります。
固定資産は、「有形固定資産」と「無形固定資産」、「投資その他資産」の3つに分類されます。
有形固定資産とは、形があり、目に見える固定資産のこと。
無形固定資産とは、目には見えない固定資産のことです。
以下は【固定資産】の主な項目のまとめです。
ここでチェックしておきたいのは、のれんです。
のれんとは、目には見えない企業のノウハウやブランド力などの価値のことです。
純資産以上の金額を支払って買収した時には、こののれんが発生するので、
のれんが「あるのか、ないのか」は気にしておきましょう。
例えば、純資産100億円の会社を、200億円支払って買収したとしたならば、この差額の100億円は、「のれん」、つまり、企業のノウハウやブランド力のためにお金を払ったということになります。
通常、企業のノウハウやブランド力の見積もりは明確にはできないので、これを資産として計上することは認められていません。しかし、企業買収のときには買収対象の企業の純資産をこえて支払った金額は、会計処理ができないので、「のれんを買った」ということにするのです。
このようにのれんは、資産とはいえ、会計的に仕方なく計上しているものに過ぎません。企業のノウハウやブランド力が収益に貢献するのであれば確かに良い資産と考えられますが、収益に貢献しなければ、あまり意味がない資産になってしまいます。
まとめ
貸借対照表は「資産の部」と「負債の部」に分かれており、今回は「資産の部」について解説しました。
資産の部をチェックするときの基本は、数字が大きいものに注目することです。
なにか飛びぬけて大きい数字があれば、見逃さずに確認しておくようにしましょう!
数字が大きい、小さいにかかわらず、見ておきたいポイントもあります。
それは、現金・預金、受取手形・売掛金、棚卸資産 、そしてのれん。
まずは気になる銘柄の、これらの数字からチェックしてみるといいかもしれませんね。
こうやって1つ1つ見ていけば、そんなことないかも!!
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