なぜ財務諸表分析をしたほうがいいの?どんなことがわかる?
これまで、四季報の見方や日経新聞の確認方法、決算短信の1ページ目の見方など、投資判断に使えそうなデータの確認方法やその際のポイントなど、一緒に学んできましたよね。
このような簡単な財務データをみるだけでも、投資判断をすることは可能です。
では、なぜ、わざわざ貸借対照表や損益計算書などの元データを詳しくみる必要があるのでしょうか?
「どんな発見ができるのか?」をまとめました!
株をするのに、なぜ財務諸表を見る必要があるの?
財務諸表のどこに注目したら良いの?
目次
会社に“どんな”資産や負債があるのかを知れる!
貸借対照表は、資産の部・負債の部・純資産の部の3つから成り立っています。
それぞれの部をよく見ると、その会社が持つ資産や負債が“どのくらい”あるのかを知るだけでなく、
“どんな” 資産や負債があるのかを知ることができます。
資産の質
例えばある会社が、資産を1億円持っているとします。
同じ1億円でも、この資産が「現金」での1億円なのか、これから入金される予定の1億円なのか、
売れるかどうかもわからない商品の「在庫」の1億円なのか、
同じ「資産1億円」でも見方が違ってきますよね。
そのような資産の額の違いでなく、中身の違いのことを“資産の質”といいます。
一般的に現金や現金に近い資産、価値の高い土地などの資産は、質が高い資産と言われます。
そのため、同じ資産の額でも、そういった資産を多くもつ会社は相対的に資産の価値は高いといえます。
負債の質
負債というとネガティブなイメージがありますが、一概にすべてがマイナスの意味を持つというわけではありません。
四季報でも簡単な財務データの確認はできますが、そこには負債のなかでも有利子負債しか載っていませんので、“どんな”負債があるのかという“負債の質”を知るには、“資産の質”と同じように貸借対照表をしっかりとチェックする必要があります。
流動負債とは、支払いの差し迫った負債のことを言います。もし、この流動負債の有利子負債が多いとなれば、会社の資金繰りにおいてこれは問題の1つかもしれません。
しかし、支払いまで余裕のある固定負債が多くても会社の資金繰りには当面大きな問題はありません。
負債をたくさん抱えていても、質の良い負債だったら…?
それは財務諸表まで見ないとわからないことです!
会社の資金繰りが分かる!
前述の通り、貸借対照表をみれば、その会社に、現金や現金に近い資産である流動資産…いわゆる質の高い資産がどれだけあるかなどの会社の資産の状況をチェックすることができます。
ご存じの通り、会社の活動には、たくさんのお金がかかります。
必要な分のお金はどこかから資金集めをする必要があります。このいわゆる資金繰りは、会社の存続にとって非常に重要なポイントです。会社は債務の返済ができなくなった時に倒産します。したがって、返済に必要な資金があれば、倒産は免れます。言い換えると、会社が最終的に破綻するのか、持ちこたえるのかは、この資金繰りにかかっているのです。
会社はどんなに良いノウハウや技術を持っていて、会社の経営が黒字だったとしても、資金繰りがつかずに倒産をしてしまえば、株価は最終的にゼロに近くなってしまうのです。
提供しているサービスが優れているので投資してみる」といった逆張り投資でも、
資金繰りがつかなければ失敗してしまいます。
“どんな”利益がでているのか知れる!
会社の利益にも、質の良い利益とそうでない利益があります。
それらは基本的に損益計算書から判断することができます。
例えば、最終的な利益がプラスの会社であっても、財務諸表の経常利益(通常の企業活動で得た利益)の欄がマイナスの場合、注意が必要です。会社の赤字を補填するために土地や設備などの固定資産を売却することによって「特別利益(本業以外で、かつ臨時的に得た収益)」を生みだしていることが考えられます。このような場合は、その後、売却するものがなくなると最終的な利益もマイナスになってしまう恐れがあります。このような利益は質の高い利益とは言いづらいでしょう。
逆に、最終的な利益がものすごく伸びていなくても、経常利益がしっかり出ている会社であれば、
比較的経営が安定していると言えます。
財務諸表によって「利益の質」を確認できます。
まとめ
財務諸表をみることでわかることはたくさんありますが、今回は、財務諸表を詳しく見ることで
「どんな発見ができるのか?」を3つ紹介しました。
- 会社に“どんな”資産や負債があるのかを知れる!
- 会社の資金繰りが分かる!
- “どんな”利益がでているのか知れる!
自信をもって投資判断をすることができます。
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