必ず知っておきたい財務3表って?財務諸表の見方
PART23からは、会社のより詳しい財務情報の見方について学んでいきましょう!
個人投資家が「その会社に投資するか」を判断するのは、会社四季報や決算ニュースなどをチェックするだけでも十分です。実際に、会社の財務状況まで考慮して投資判断をする投資家は少ないのかもしれません。しかし、財務諸表の各項目について理解ができていれば、四季報の見方も鋭くなり、他の投資家と差をつけることができます。
「貸借対照表」「損益計算書」「キャッシュフロー計算書」とは何かを学びましょう!
投資判断をするときに、財務なんてチェックしたことない
財務の確認方法を1から学びたい
目次
財務の結果はどこで確認できる?
1年に4回行われる決算の結果は、公表される決算短信にて知ることができます。
詳しい財務の結果もこの決算短信に載っています。
日経新聞や会社四季報などでも知ることができますが、これらは大事なところだけを公表しているようなものなので、決算について知りたいときにこの中で1番詳しいのは決算短信といっても良いのではないでしょうか?
ただし、決算短信のほうが早く公表されます!
決算短信の1枚目の見方は前回のブログで学びましたね。
前回のブログでは決算スケジュールについて学びましたよね。上場企業の決算は年に4回あり、それぞれ何をチェックするべきなのかは前回学んでいただけたかと思います。
決算短信には様々な資料や情報が詰まっていますが、その中でも特に重要と考えられているのが、
財務3表と呼ばれる以下の3つです。
これらは、決算短信の1ページ目にも重要な数字が載っているほど重要度の高い情報です。
1ページ目だけでなく、決算短信の中身にも注目してみましょう。
財務3表ってなに?
貸借対照表(バランスシート)
貸借対照表とは、期末時点での「負債」と「資産」の状況と、その差し引きをした部分である「純資産」の状況を示したものです。
会社が持つ「資産」、返済しなくてはならない「負債」、総資産から負債を差し引いて残る「純資産」の3つから成り立っています。貸借対照表からは、会社の財政状況や、会社がどのように資金を調達し、調達したその資金をどのように運用しているかを見ることができます。
損益計算書
損益計算書とは、一定期間(3か月、6か月、9か月、1年)の損益状況を表したものです。
会社がどれだけ稼いで「収益」、そのためにどれくらい費用を使って「費用」、結局利益がいくら残っているか「利益」の3つから成り立っています。この期間で会社がどのくらい儲かったのか、
あるいは損したのかといった経営成績を見ることができます。
キャッシュフロー計算書
キャッシュフロー計算書とは、一定期間(3か月、6か月、9か月、1年)の現金の増減を表したものです。
会社の本業の営業活動によって増減した「営業活動によるキャッシュフロー」
余剰資金を運用した際や、会社の設備投資をした際に増減した「投資活動によるキャッシュフロー」
借金の借入、返済、株の発行など、資金調達により増減した「財務活動によるキャッシュフロー」
の3つから成り立っています。キャッシュフロー計算書によって、会社が本業の営業活動でどのくらいの現金を稼ぎ、その現金をどのように使ったのかを見ることができます。
財務3表にはそれぞれつながりがある!
この3つの「貸借対照表(バランスシート)」「損益計算書」「キャッシュフロー計算書」はそれぞれ独立しながらも、深いつながりがあります。
貸借対照表と損益計算書のつながり
貸借対照表と損益計算書のつながりを図に示します。
通常、損益計算書の「収益」が増えると貸借対照表の「資産」は増え、損益計算書の「費用」が増えれば貸借対照表の「資産」は減ります。また、損益計算書の「純利益」が増えれば、貸借対照表の「純資産」が増える、とも言えます。
貸借対照表はストック、損益計算書はフローであるという関係を理解すると良いでしょう。
キャッシュフロー計算書と2表のつながり
貸借対照表や損益計算書はまったく同じ会社の財務三表をつくる場合でも異なる形の結果が出てしまうことがあります。このような貸借対照表や損益計算書と比較すると会社の経営状態を正確に把握できるのがキャッシュフロー計算書です。つまり、会社の経営状態を客観的に見るためにキャッシュフロー計算書が必要になるのです。
営業キャッシュフローは、本業で得た現金のことなので、損益計算書の営業利益や経常利益、純利益と連動しているはずです。しかし、「獲得した利益=現金等の増加額」ではないことから、一致しない場合も多々存在します。
例えば、損益計算書では利益が伸びているにも関わらず、営業キャッシュフローが伸びていないのであれば、資金繰り次第で倒産してしまう可能性があり、注意が必要です。
投資キャッシュフローは貸借対照表、損益計算書の両方とつながりが深いものです。
例えば、設備や工場など、会社が製品やサービスを生み出すために必要なものを買う設備投資をした場合について説明します。投資を行うと、貸借対照表における固定資産などが増えます。その資産を現金で買った場合、現金が減ることになるので、投資キャッシュフローはマイナスになります。また、そのキャッシュフローのマイナスは、損益計算書におけるコストにあたります。このように、会社の投資活動によって、キャッシュフロー表、貸借対照表、損益計算書の数字が変化します。
財務キャッシュフローとはお金を借りたり、返したり…という活動が中心となるので貸借対照表と関わりが深いものとなります。例えば、お金を借りると、現金が増えるため、財務キャッシュフローはプラスになります。また、貸借対照表では、資産である現金が増える代わりに、借入金という負債が増えます。
まとめ
財務諸表の項目や概念の理解ができていれば、四季報の見方も鋭くなり、より根拠を確実にして銘柄を選ぶことができます。
会社の財務状況をチェックするときに、必ず知っておきたい主要となる「財務3表」は以下の3つです。
貸借対照表:BS
損益計算書:PL
キャッシュフロー計算書:CF
これらは独立しつつも、それぞれ深く関わり合っています。
その関連性を意識しながら見ていくことが非常に大切です。
財務3表とそれぞれのつながりは必ず知っておきましょう!
あわせて読みたい
当サイトは、当社の経営理念である「株式会社さくらインベストは投資に関する幅広い知識や技術を発信し、お客様をはじめ投資家の皆様の喜びに貢献します」に基づき、一般的な金融リテラシーの知識向上に役立てていただくことを目的としています。
当社(株)さくらインベストは商品先物取引業者であり、金融業者(証券会社等)ではなく、当社で株式等の金融商品の取引を行うことはできません。その為、金融商品等の勧誘や媒介を目的としていません。また、金融商品等のメリットを助長し取引を勧めるものでもありません。
当サイトは、当社の経営理念である「株式会社さくらインベストは投資に関する幅広い知識や技術を発信し、お客様をはじめ投資家の皆様の喜びに貢献します」に基づき、一般的な金融リテラシーの知識向上に役立てていただくことを目的としています。
当社(株)さくらインベストは商品先物取引業者であり、金融業者(証券会社等)ではなく、当社で株式等の金融商品の取引を行うことはできません。その為、金融商品等の勧誘や媒介を目的としていません。また、金融商品等のメリットを助長し取引を勧めるものでもありません。
今後非表示にする
本ブログのご利用にあたり、使用上の留意点につきましては【重要事項のご説明】をご覧ください。