買いからでも売りからでもスタートできる!【特徴③】
商品先物取引は買いからでも売りからでもスタートできます。いわゆる「差金決済」の特徴ですね。
ここまででも解説してきたことなので、もうバッチリでしょうか?
今回は、今までの復習をするとともに商品先物取引のしくみを見ていきましょう!

商品先物の基礎は理解できたってことです!初心者は脱出ですね。

PART1~PART3の内容を復習したい!
商品先物取引の仕組みをもっと知りたい!
目次
実際にとうもろこしで考えてみよう!
商品先物取引は買いからでも売りからでもスタートできるのがおおきな特徴です。
では、どんな風に利益を狙おうとしているのかをとうもろこしで取引する場合で考えてみましょう!
仮に現在、来年3月に受渡しされるトウモロコシの価格が23,000円で、その後、来年3月までに
25,000円に値上がりをした場合を考えてみましょう。
来年3月に受渡しされるトウモロコシの価格が23,000円ということは
「2021年3月限」の現時点の価格が23,000円ということですね。
商品先物取引には期限があるので来年2021年の3月の納会日までに決算をしなければいけません。
買いからスタートする場合
ここで買い注文を出すのは、2021年3月の時点で、23,000円でならトウモロコシを引き受けても良いという人(企業)です。
トウモロコシを買う場合の1枚の取引単位は50トンからですから、1枚で取引をする場合、
23,000×50=1,150,000 115万円を総代金として取引をすることになります。
しかし、この総代金の115万円がとうもろこしを買うために必要なお金ではありません。
商品先物取引は証拠金取引ですから、証拠金と業者に支払う仲介手数料が取引をスタートするのに必要なお金です。
例えば、さくらインベストでは、現在のトウモロコシの証拠金が30,000円。
総代金の115万円と比べると、少ない金額になります。
このように、少額で大きな取引ができるのも特徴の1つでしたよね。
そして手数料が2,200円です。手数料は、注文を出すときと決済するときに2回分必要になるので、
両方で4,400円必要になります。
では、トウモロコシの値動きをみてみましょう。
25,000を超えたところで、他の誰かに転売をしてしまえばこの差額が利益になります。
2021年3月の時点で23,000円ならトウモロコシを引き受けても良い、という約束をしておいたものを取り消して、反対売買(売り)をしてしまうのです。
今回の場合は…
この10万円がこの取引で得られる利益ですね。ただし、取引には手数料4,400円が必要ですから、
95,600円が実際の利益となります。

納会日に受渡決済をする気がなく、それまでに差金決済で転売をしてしまって
利益をとろうとするのが買いから入るパターンの王道です!

売りからスタートする場合
売り注文を出すのは、2021年3月の時点で、23,000円でならトウモロコシを受渡しても良いという人(企業)です。
同じように1枚で取引をする場合、総代金は115万円。取引に必要な証拠金と手数料も34,400円で同じですね。
売りから入った場合、市場価格が値上がりしてしまったときはその差額が損失になります。
2021年3月の時点で23,000円ならトウモロコシを受け渡しても良い、という約束をしたので、逆に値上がりをしてしまったとしても、納会日までには反対売買をして取引を終了する必要があります。
この場合の損失も同様に、10万円。取引には手数料4,400円必要ですから、14,400円がマイナスの総額となります。

納会日に受渡決済をする気がなく、それまでに差金決済で買い戻してしまって
利益をとろうとするのが売りから入る人の考え方です。

商品先物取引のしくみとは?
商品先物取引は、一見難しい仕組みにみえますが、そんなことはありません。
トウモロコシが値上がりしたことで
✓買いからはじめて利益をだした人
✓売りからはじめて損失をだした人
彼らの利益と損失は、市場に参加している投資家の間で動いているだけなのです。
これが、商品先物取引の構造です。
「転売して利益を得よう(利益)」としている人の裏には「買い戻して損切しよう(損失)」としている人が両方いるから商品の値段が決まる…ということです。
※国内商品市場取引の場合
まとめ


商品先物取引は「買いからでも売りからでもスタートできる」という特徴をもっています。
商品の価格が「値上がりする!」と予想した場合には買いからスタートし、
商品の価格が「値下がりする!」と予想した場合には売りからスタートします。
ただ、商品先物取引には期限があります。
現物を引き受けるか受渡しをしない場合は、買いから入っても、売りから入っても期限内に決済をしなければいけません。株のように、予想と反対に値段が動いたから、思うような利益が出ていないから、といって塩漬け状態にしておく、というようなことは出来ないのです。
つまり、予想と反対方向に動いたとしても、期限内のどこかで決済をするので、損失であっても必ず確定してしまうのです。この点について充分ご理解した上で、取引を行いましょう。
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