意外と簡単?財務状況読みかたのコツ
今回は、会社四季報で財務状況のチェック方法を一緒に学んでいきましょう。
PART1「3つの基本」の中に財務状況はありませんが、とても大事な項目なので整理しました!
ムズかしそうな用語が多そうですね…。
四季報の中の情報をすべて理解できるに越したことはないですが、はじめからすべてをチェックするのは大変です。今回は「時価総額」「自己資本比率」「有利子負債」「営業CF」にポイントを絞って一緒にみていきましょう!
目次
ポイント① 時価総額
時価総額とは、カンタンにいうと「企業の大きさ」を計るのに参考になる指標です。
2019年10月時点での時価総額上位の企業を確認してみると、「トヨタ自動車(7203)」「ソフトバンクグループ(9984)」「三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)」などの、ほとんどの方が知っている企業が目に入ります。
時価総額は以下の式で求めることができます。
時価総額 = 株価 × 発行済み株式総数
この時価総額は、四季報を見るうえでもチェックしておくべきポイントといえるでしょう。
時価総額が大きい企業(大型株)は、多くの方がその企業の株を買っているということです。
そのため、倒産リスクも低く安定感もあり信頼度も高い企業だということができます。
また、流動性も高いので株価が下がって売りたくなると、すぐに売れる可能性が高いです。
しかし、発行株式数が多いがゆえに値動きは鈍くなります。
個人投資家の売買では、なかなか値動きに影響しないのです。
時価総額が小さい企業(小型株)は、これからの成長が期待される企業の可能性があります。
個人投資家の売買でも十分株価に変動があるので、短中期的な投資には適しているともいえます。
その分、大きく利益を得られることもありますし、損失を被ることもあります。
また、株価が比較的低いので小額から投資をすることができます。
ただ、流動性が低いので「売りたいときに売れない」「買いたいときに買えない」といったことが起こるリスクもあります。信用面でも心配な面もあるかもしれません。
※東証1部内の順位は時価総額・流動性の高さを基準とする
ポイント② 自己資本比率
企業の資産に対する自己資本の割合を自己資本比率といいます。
自己資本比率が高ければ高いほど、負債が少なく財務の安全性が高いといえます。
自己資本比率は以下の式で求めることができます。
自己資本比率=自己資本÷総資産
自己資本比率は、中小企業庁による「平成30年中小企業実態基本調査」によれば、2017年の中小企業の全体の自己資本比率の平均値は40.47%となっています。
これを1つの目安に考えてみると、
自己資本比率が40%以上であると平均以上です。
50%以上だと財務的な安全性は非常に高いといえます。
30%以下だと心配な一面がある可能性があります。
ポイント③ 有利子負債
有利子負債とは、カンタンにいえば借金のことです。負債の1つであり、利子が生じる負債のことです。企業の中には、この有利子負債が0という企業も少なからず存在します。
自己資本に対する有利子負債の比率を「有利子負債比率」とよび、以下の式で求めることができます。
有利子負債比率=(有利子負債÷自己資本)×100
有利子負債が自己資本を上回っている場合、有利子負債比率は100%を超えます。この場合は経営資本のほとんどを借金(他人資本)で担っているわけですから注意が必要です。
基本的には、有利子負債比率が低ければ低いほど安全性が高いといえるでしょう。
ポイント④ 営業CF
企業の本決算時に決算短信にキャッシュフロー計算書が記載されます。営業・投資・財務の面でそれぞれキャッシュフロー(現金収支)を求めます。どれも非常に大事な数値なのですが、まずはその中でも特に重要な「営業キャッシュフロー」をチェックしましょう。
営業キャッシュフローとは、企業が商品販売やサービス提供で得た収入から、仕入れや営業活動に必要な諸費用を差し引き、本来の営業活動から得られた金額を明らかにしたものです。
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営業キャッシュフローは、もちろんプラスのほうが望ましいものです。
四季報では、直近の決算と1年前の決算が両方とも赤字ではないか(▲がついていないか)をチェックするようにしましょう。
まとめ
四季報に載っている財務状況はどの数字も重要であるということができます。
ただ、はじめから全てを理解するのは難しいので、初心者の方はこの4つのポイントに絞って財務状況をチェックしてみてください!
意味が分かればなんとなく読めそうですね!
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PART23からは、会社のより詳しい財務情報の見方について学んでいきましょう!個人投資家が「その会社に投資するか」を判断するのは、会社四季報や決算ニュースなどをチェックするだけでも十分…
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