初心者必見!仕組みがわかれば面白い?「商品先物取引」
商品先物取引と聞いて、どんな言葉を思い浮かべますか?
「興味ない」「怖い」「ハイリスク」「…よくわからん!」など、肯定的なイメージはない方も少なくないと思います。
すこ~し昔のことです。就職活動をする私の目に飛び込んだワード、
「急成長する会社は社員に優しい」この言葉に惹かれて面接を受けた会社こそ、商品先物取引業者でした。私も、商品先物取引に携わって、そこそこ月日が経ちます。
「株式やFXのように盛り上がりたい!」
「商品先物取引の面白さを伝えたい!」
商品先物取引の面白さを知った今、日々このように感じます。
商品先物取引に触れて、少しでも肯定的なイメージをもっていただければと思います。
- 商品先物取引ってどんな取引なの?
- 商品先物取引って株式などと、どう違うの?
- 商品先物取引に良いイメージがない…
目次
で、商品先物取引ってなんなの?
投資です。もちろん、国が認めています。
日本には現在、商品先物取引の取引所が2つあります。TOCOM(トコム)と呼ばれる
「東京商品取引所」と、大阪の堂島が発祥とされている「大阪堂島商品取引所」です。
ここで扱っている商品は、金や銀などの貴金属、原油などの原料、米やとうもろこしなどの穀物です。
どの商品も、需要と供給が多く、生活に密着している商品です。
これらの商品の値動きを当てることによって利益を狙う取引が「商品先物取引」なのです。
投資商品がモノなので、企業を対象にする株式よりもシンプルかもしれませんね。
金だったら、なんとなく投資のイメージがあるけど…。どうしてコーンやゴムで取引するの?と思われることも…。この疑問は商品先物取引の歴史を知れば解決します。
歴史と一緒に「商品先物取引のしくみ」を一緒に見ていきましょう!
どうして穀物で取引?商品先物取引のレキシ
むかーしむかし、1620年の江戸時代、当時日本では、「お米」が経済の基盤でした。
お米は、食料としてだけではなく、年貢や武士への給料としても使われていたのです。
そして、その頃の日本では1年間で約2700万石のお米の収穫量がありました。
約405万トン!1年間で収穫されていたんです。
現代の日本の収穫量が1年間で約782万トンなので、約半分ですね。江戸時代の人口は、現代の約1/4ですから、そこからもどのくらい膨大な量か想像できるかと思います。
この2700万石のうち、2200万石が自家消費や年貢などで使われており、残りの500万石が市場に出回っていました。そしてなんと!そのうちの200万石が大阪だけで取引されていました。
ここに目をつけたのが大阪の大豪商、淀屋さんです。
ちなみに、大阪の夜の街、「北新地」も淀屋さんたちのお遊びのためにつくられたとか…。現代のお金で計算すると、当時の淀屋さんの総資産は200兆円と言われており、遊興費は1年で1,000憶円…1日にすると約3億円!本当かな?
そして、淀屋さんがつくった「淀屋米市場」で毎日大商いが行われました。取引が大きくなると、米俵をいちいち現物でやり取りしていては大変です。
そこで、「米手形(倉荷証券)」を発行して取引をしていたのです。
この米手形とは、引換券のようなものです。
ここで問題となったのが、価格の変動です。
当時の徳川8代将軍・徳川吉宗は、財政悪化の原因は「米の価格高騰」と考えていました。そのため、米の価格を安定させたかったのです。
そこで!出来たのが、「商品先物取引」です。
当時の各藩の領主たちは、少しでも高くお米を売るために天下の台所・大阪にお米を運びました。そのため、元禄10年に、米市場は淀屋さんの店頭から堂島に移ったとされています。ここで、「現物取引」と「つめかえし取引」という2つの取引を行っていました。
この「つめかえし取引」こそが「商品先物取引」の原型なのです!
商品先物取引の原型!“つめかえし取引”のしくみ
たとえば、米の価格が10月1日で1石50匁だとします。そして、この日から1か月後の11月1日に米1石分を45匁で購入できる「米手形」を買ったとします。
もし、この時点で「米手形」を売ることが出来れば、5匁の利益がでます。
しかし、11月1日にならないと売ることはできません。
さて、1か月後です。お米の1石あたりの価格は40匁まで下落していました。
保有している「米手形」より、米の価値が下がったので、5匁分の損がでました。
このような仕組みで行われていたのが「現物取引」です。これと同時に「つめかえし取引」を行うワケです。「つめかえし取引」は契約取引なので、実際に米の現物やり取りはせずにお金のみが動きます。
「つめかえし取引」をしていたならどうなっていたのでしょうか?
10月1日時点で、次のような「つめかえし取引」の契約をします。
すると1か月後、11月1日にはどうなるでしょうか?
10匁の利益がでました。このような取引が「つめかえし取引」なのです。
この「現物取引」と「つめかえし取引」を同時に行います。
今回の場合だと、それぞれの損益が、
となるので、結果的には全体で5匁の利益がでた、ということになります。10月1日に仕入れた時の利益と同じになるのです。
では、もし11月1日の値段が60匁に値上がりした場合はどうなるのでしょうか?
値上がりした場合、「現物取引」で15匁の利益、「つめかえし取引」で10匁の損失が出たので、こちらも結果的には全体で5匁の利益がでた、ということですね。
このように、
「現物取引」と「つめかえし取引」を同時に行うことで、リスクの回避(ヘッジ)が出来ている仕組みになっていたのです。これが、現在につづく「商品先物取引」のおおもとの仕組みです。
商品先物はなぜ必要なの?
商品先物取引は、基本的に、生産者と消費者が安定した価格で取引をするための場としてつくられた、とされています。
農家や、石油業者などは、日々作物の疫病や天候リスク、為替リスクなどの様々なリスクにさらされています。このようなリスクをどのように回避するかは重要な問題です。
彼らは、リスクを回避するために先物市場に参加します。
しかし、それだけでは不十分です。農家同士では自分のトレードの反対側に立ってくれるような人は、極めて少ないのです。そのため、先物市場に参加する個人投資家は必要なのです。
もしも、個人投資家がいなくなると、農家などの生産者は自分の生業に伴うリスクを軽減する手段がなくなり、商品価格上昇につながる可能性もあります。個人投資家は、農家などの生産者がリスクを軽減するための反対側に立つ重要な役割を持っており、流動性を提供している大切な存在と言えます。
商品先物取引に参加されている個人投資家の方々は、それ自体が経済に貢献していて、社会のお役に立っているのです!
まとめ
先物取引とは、金や銀などの貴金属、原油などの原料、コメやとうもろこしなど、需要と供給が多く、生活に密着している商品の値動きを当てることによって利益を狙う取引のことです。
商品先物取引で投資をすることに対するイメージは、ただ単に、お金を「増やす」「減らす」だけで考えていらっしゃる方も多いと思います。
しかし!
この取引は、生産者のリスクを軽減することで、生産物の安定供給に貢献している取引…とも言えるのです。これを知れば、商品先物取引に対する接し方も変わり、興味が湧くかもしれませんね。
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